BOSS DS-2 の話しダイオードその2
前回のDS-2の話しの後少し調べたら、2009年製の物に付いてたダイオードもショットキーバリアダイオードでした。
品番は、SD103(E) データシートはSD103で調べれば出てきます。
ところで、一般的にゲルマニュウムダイオードは無線機の検波用として使われています。
よく耳にするのはゲルマニウムラジオ。
電池いらずのイヤホンラジオです。工作キットなんかがよくあります。
受信した弱い電波を増幅無しで検波するためにはダイオードのVf順方向電圧が低くなければ出来ないのでシリコンダイオードでは難しいのです。(理想は順方向電圧が0V)
ゲルマニュウムダイオードは実用的には0.3~0.4V程度だったと思います。(シリコンは0.7V程度)
(たいていのデータシートはMAXしか書いてないのでこの数字は出てきません)
ショットキーバリアダイオードは0.2~0.3V程度だったはずで、ですから検波用としては、ゲルマニュウムダイオードの代用を果たしてくれます。
しかし、エフェクターのクリッピング用途としては、代用にはならないと思いました。
検波とクリッピングではダイオードが果たす役割が正反対です。
検波では、順方向電圧より大きい分を通して信号を取り出す。
クリッピングでは順方向電圧より大きい分をカットして信号波形を変形させる。
まず、順方向電圧が違えば音声波形の振れ幅(音量レベル)が違ってしまいます。(カットする分量が違う)
ゲルマニュウムダイオードで0.4V×2で0.8V有った振れ幅が、ショットキーバリアダイオードでは0.3×2で0.6Vになり、レベルが下がってしまいます。
またショットキーバリアダイオードは反応速度は早いので、波形の切れ方も鋭いはずです。(オシロを持ってませんので推測ですが)
波形が変われば直接音質に影響します。
検波用として広く代用品と認められているからといって、エフェクターのクリッピング用途で代用品として使うのは全く違うと思います。
あくまでも別物として扱うべきですね。
ということで、先回登場したショットキーバリアダイオードが付いてるDS-2をゲルマニュウムダイオードにMODしてみました。
同じダイオードは手に入りそうにないので、エフェクター用ではスタンダードな1N34Aにしました。
まず、1994年製
音だし比較すると、1990年製のオリジナルと殆ど変わらない感じになりました。(若干の個体差程度は有りますが)
そして、2009年製
あれ?、雰囲気は似ているのですが・・・同じツマミ位置ではゲインが小さい・・・が、全部フルにするとたいして差は無くなります。???
色々探ってみると・・・・DISTポットのカーブが違うだけでした。(な〜んだ、びっくりさせやがって。)
250KDカーブなのが、2009年製の分だけAカーブに変更されてます。
BOSSさんここでも入手しやすいAカーブに黙って変更ですか。
ゲルマニュウムダイオードもそうですが、ちょっとあきれた「コストダウン」ですね。
まあ、とにかくDS-2は、ショットキーバリアダイオードをゲルマニュウムダイオードに戻せば、しっかりした良い音に変身します。
ご参考に・・・では、また。