2014年7月27日日曜日

スピーカーの話し Fostex GS100

スピーカーの話し

手元にFostexGS100という古いスピーカーがあります。
10cmのフルレンジユニットが1つ入った密閉型14cm角の四角いスピーカーです。

ちょっと前置き。
GS100は、パーソナルレコーディング(今でいうDTM)に没頭していた頃にミックスダウンのサブモニター用に購入した物です。(1980年代)
メインモニターはテクニクスの3ウェイハニカムスピーカーSB-5Aを使っていたのですが、最終調整時に小型フルレンジのGS100でチェックしていたのです。

当時(今もかな?)AURATONE5Cという小型フルレンジスピーカーがレコーディングスタジオに定番として置いてあって、当時一般的だったラジカセなどで再生した時のバランスをチェックするのが目的だったようです。
(実際にラジカセでチェックする場合も有った様に聞いてました。)
フォステックスのGS100は和製オーラトーン的なふれこみでで販売されていたのです。

3ウェイモニターでミックスしただけでは、ラジカセなど小さなフルレンジスピーカーで再生した時、ひどいことになってしまったりするのです。
極端に言えば、音数が減ってしまったり・・・「ベース入ってないの?」とか薄く入れた「ストリングスはどこ行った?」とか・・・ワイドレンジモニターだけでミックスダウンすると音を広げすぎて(周波数、定位、奥行きなど)真ん中の手前しか再生出来ないラジカセなどで聴くと「別物」になってしまう事があるのです。
(モノラル再生のチェックもしてました。左右の位相差でバランスが変わる事が多々有るので)
今は再生機器の環境も違ってますし・・・これは昔の話しでしかないでしょうが。
どんな条件でも「音楽」が伝わるミックスダウンにする為にチェックし調整していたのです。


で、この春、付録の「LXA-OT3デジタルアンプ」目的で「雑誌Stereo」を衝動買いしてしまったので、20年以上放置していたGS100を引っ張り出してみたのです。

鳴らしてみると、何か「ガサガサ」ノイズが混じってるし、薄っぺらい音で・・あれぇ~?
前面の金属ネットを外してみると・・・スピーカーユニット(FE103のエッジは劣化して剥がれて破れてるし、コーン紙をちょっと触ってみると、ボイスコイルがばらけていそうな感じでガサガサいうし、ボロボロになってました。(画像は撮ってませんでした)
・・・後生大事に持っておいても無駄だったか・・・。

しかし、気をとりなおして、以前から少し気になっていた同じフォステクスのDIYスピーカー「かんすぴシリーズ」
ユニットをこのP1000Kに取り替えてみることにしました。(安いし!)
(↓画像撮影のために外した状態)
同じメーカーの10cmフルレンジとはいえ、少し加工が必要でした。
取り付け穴の直径と取り付けネジピッチがP1000Kの方が1mmほど大きかったので、穴をペーパーやすりで地道に広げたのと、取り付け角度を少し回してねじ穴位置を変えてます。
(↓無事取り替えできました。)


音の方は、皆さん好みや目的も色々でしょうけど・・・私にとっては、「変な癖のないすっきりした小型フルレンジ」として納得できる音になってます。
もちろん低域は出ませんが、見た目と音が一致して安心できます。(変な表現ですが・・・)


(↑画像は1台ですが、もちろんペアで持ってますよ)

では・・・また。

2014年7月22日火曜日

エフェクターの電源を考える その3

エフェクターの電源を考える その3

今回は電源を考えるのその1その2の・・その後・・追記的内容です。

ちょっと前置き・・・
私が音を前に押し出す為に、使っているエフェクターがいくつかあります。

・Analog Delay アナログディレイ・・・・・タイムを最小にしてフィードバックを発振直前まで上げて、発振しそうになった時の高調波成分を加えます。

・HiBand Flanger ハイバンドフランジャー・・・・RATE、DEPTH、を浅く設定し、RES(レゾナンス)を大きくして、倍音成分を加えます。

・Pitch Shfter ピッチシフター・・・・三度や五度上げなどを作って(これも倍音成分)少し加えます。

で、Pitch Shfter を使った時なのですが・・・
エフェクターの電源を考えるその1で取り上げたNadine's Stereo Flangerの「ふゅん〜ふゆん〜」ノイズですが、ピッチシフター、Behringer US600 Ultra Shifter/Harmonistとの組み合わせでは、まだ結構出てしまいます。

激減したとはいえ、この組み合わせでは使えないレベルの状態です。
で、エフェクターの電源を考えるその2で作った「エフェクターが元気になるアイテム」ですが、
(↓これ)

これは単純に大きめのコンデンサ(330μF)をプラスとマイナス間に入れただけの物なので、ある程度電源ノイズの低減にも効くはず。・・で、繋いでみました。

ACアダプターから分岐ケーブルで電源供給した状態で、ノイズが出るNadine's Stereo Flangerにつないだ場合。


同じく、Nadine's Stereo Flangerと相性が悪いBehringer US600につないだ場合。


どちらも大幅にノイズが低減し、特にBheringer US600に繋いだ場合は、他のノイズ(ホワイトノイズ)に紛れてしまうレベルまで下がりました。

影響を受ける側より、発生側(影響を及ぼす側)につけた方が良いようです。
ACアダプターと分岐ケーブルの間や、他に繋いでいる歪み系やコンプレッサーにつないだ場合は効果ありませんでした。
結局、発生源に付けるのが一番良いようです。

コンデンサで低減出来るということは、デジタル系エフェクターが電源的乱れを発生しているのでしょう。

分岐電源でノイズにお困りでしたら、参考にしてください。


電源は不思議。・・・では・・・また。

2014年7月14日月曜日

自作エフェクター その1 オレンジスクイーザー

自作エフェクター その1 オレンジスクイーザー

いくつかエフェクターも自作してますのでボチボチ紹介します。

Dan Armstrong ”Orange Squeezer”のレプリカ。
けっこう有名なコンプレッサーです。
本物は、ギターのジャックに直接刺す形で、ストラト等では形状的に使えないです。

作ったのはこんな感じ。↓


基本にした回路図は、ここ↓です。

部品はなるべく手元に有った物を流用しました。
IC1・・・・JRC4560D(オペアンプ)
Q1&2・・・2SK30A(FET)
D1・・・・1N60(ゲルマニウムダイオード)
他も寄せ集めなので、抵抗の種類も揃っていません。

↑中身はこんな感じです。

回路的にはあまり変えてませんが、変更、追加した点は、
・LEDは省きました。
・デカップリングコンデンサ220μ16Vとハム防止に100Ω抵抗、逆電圧防止のダイオードを追加。
   (私はACアダプターでの使用がほとんどですので追加。100Ωと220μでローパスフィルタにしてます。)

(↑汚い手書きですみません。回路図左上のDCジャック部分です。)

トリムの調整は、音だししてみると必然的にほとんど決まってしまいます。
ごく狭い範囲以外はコンプになりませんから・・・。

本物がどのような音?、かかり具合?なのか分からないのですが、結構しっかりコンプレッサーしてくれます。
常に入れっぱなしで使っても良いのではないかと思います。

では・・・また。

2014年7月6日日曜日

オーディオインターフェイスの話し

今回は「工作」ではないのですが、ちょっと便利な使い方。

オーディオインターフェイスの話しです。
以前は、M-AUDIOのFW410というマルチチャンネル対応の物を使っていたのですが、OS&DAWとの関係でちゃんと動かない状況になって、インターフェイスを切り替える時に試した事を掲載しました。


DAW「Cubase」のバージョンアップに伴ってOSもアップしないといけない状況(MacOS10.6X→10.7.5)になったのですが、前出のオーディオインターフェイスFW410のドライバーが一向に更新されず10.7.5は動作環境から外れてしまっていました。
で、使えるマルチチャンネル対応の物は・・・・と探してみるものの・・・予算が・・・・!!
他には、SteinbergのCI1を持っていたのですが、これは2IN2OUT。
せめて、4IN4OUT以上が欲しかったのです。
その時、同じくSteinbergのCI2+(2IN2OUT)が中古で安く出ていたのです、ダメ元で買ってしまいました。



実は、MacOSのCoreAudioというオーディオ信号入出力の規格には「機器セット」という設定が有って、接続済みの複数のインターフェイスをセットにして、あたかも1つのインターフェイスの様に扱う事が出来ます。(アプリケーション~ユーティリティ~Audio MIDI設定)
これを使って2台で、4IN4OUTに出来ないかと思ったわけです。

で、やってみました。


結論から言うと出来ました。4IN4OUTになりました。
Cubaseで4チャンネル同時録音再生可能です。

が、あくまでも私の所での話しであって、どんな環境でも出来るとは言えません・・・。
1つ私の所でも障害が出たのは、このSteinbergのCI1とCI2+は、同じファミリーの機種なので基本のドライバーソフトが共通です、2台でドライバーソフトの取り合いになった様子(推測)で、同時に2台を安定して認識しない事がよく発生しました。
色々試した結果、2台をMac本体の別々のUSB端子に接続すれば安定する事が分かりました。
(ハブ経由で接続していたので本体側では同じ端子につながっていました)
以来2台で4IN4OUTが、安定して使えています。
Mac本体によっては、USB端子の系統がどうなっているか違うでしょうし、必ず出来るとは限りませんが・・・・・
(私の所はiMac24のEarly2008です。←古い!)

他の機種の組み合わせで、ドライバーソフトが競合しなければ大丈夫ではないかとおもいます。(推測)

なお、レイテンシー(遅延)の問題ですが、機器セットでは普通2台のレイテンシーを足したものになるようです。
が、今回の場合、ドライバーソフトが共通のおかげでしょうか、1台分のレイテンシーで動作しているようです。


ご参考になれば、・・・・・では、また。

2014年7月1日火曜日

エフェクターの電源を考える その2

エフェクターの電源を考える その2


歪みを元気にする!! & 使い古しのマンガン電池?

歪み系のエフェクターに、少し高めの電圧をかけると、音に艶やハリが出るとかの話しもあり、12V~18Vのアダプターも有るようです。(自己責任で使うということでしょうが)

一方「電圧が下がった、使い古したマンガン電池を使った方が音が良い」という話しを時々目にします。
それをシュミレートするような電源も売られているようですし、VHTのエフェクター「V-Drive」は、内部の電圧を調節するツマミが付いていて、約5Vまで下げられるようです。(上げることは出来ない)



(↑VOLTAGEと書いてある小さなツマミが電圧調節。下げると粗い音になる。)


電源を考える、その2では、ACアダプター使用で
・エフェクターが元気になる(場合も有る)簡単なアイテム
・「使い古しで消耗したマンガン電池」風にしてみる簡単なアイテム
を製作してみました。

元気になる(場合も有る)アイテム

まずは、説明。
ACアダプターをコンセントに差し込んでアダプターのコードをエフェクターに刺す訳ですが、そのコードは1.5メートルくらいの長さは有る訳です。
マルチコードで分岐するとその先にまた50センチ~1メートルくらいのコードが付いてしまう訳です。
そのコードには小さいとはいえ抵抗分が有りますし、アダプターには内部の抵抗分もあります。(スイッチングタイプは過負荷にならなければほとんど無いといえるらしいですが)
抵抗に電流が流れると電圧降下が起こりますので、電流が増えれば電圧降下も増えてエフェクターに届く電圧は下がります。

実はエフェクターは常に一定の電流を消費しているわけではありません。
音声信号が入ってくれば、例えば「歪ます」という仕事をするわけですから、消費する電流は増えます。
音が入ってくれば電流が増える、無音になれば減る、と常に変動する訳です。
そうなると、先ほどのアダプターからエフェクターまでの抵抗分によって電圧も細かく変動してしまいます。
特に大きな音が入ってきて、パワフルに出力しようとした瞬間に多くの電流を要求すると抵抗分によって電圧降下が大きくなって、必要な電流も十分に届かず、「頭打ち」な出力になってしまったりすると考えられます。
(ややこしい書き方になってしまいましたが、抵抗と電流と電圧は密接に関連してます。→オームの法則)

話しはちょっと脇道にずれますが、バックアップコンデンサといわれるものがあります。
これは電子回路の実装時にIC(特にデジタル)の電源ピンのすぐ近く(物理的に)にコンデンサを付けるのです。
ICも動作状態によって電流が変化しますが、電源回路からICまでのわずかな抵抗分によって電圧変動が起こってしまうのです。(先ほどの話しと同じです)
その時バックアップコンデンサはすぐ近くにある「小さな蓄電池」的な働きをして、下がった分の電圧を補ってくれます。
コンデンサの基本動作は電圧がかかると蓄電し、電圧が下がったり無くなった時に放電するのです。
ですから、ICにとっては電圧変動が少なくなって安定した動作が出来る事になります。

同じ事をエフェクターにしてみました。


DCプラグにコンデンサを入れてみました。
手元にあった330μ16V電解コンデンサです。
極性が有りますので、センターピンにコンデンサのマイナスマークを合わせて半田付けします。
コンデンサのマイナスリード線には絶縁チューブを忘れずに!


熱収縮チューブでカバーして出来上がり。
これを、ACアダプターとエフェクターの間に入れます。

テストしてみたのはこれ↓

自作の歪み系2台、左がDOD250のレプリカ、右はLandgraff オーバードライブを基本にアレンジした物で、回路的にはTS系と言われる物です。(この2つの中身などはまたの機会に・・・)

結果は「びみょー」に元気になります。(あくまでも私の主観ですので・・・)
ハッキリ分かるのは250をフルにした時で、やはり「一番頑張らせた時」でした。
TS系の方もダンブルモードでかなりきつめにかけると違いがはっきり出てきます。
どちらもおとなしめにかけるときにはあまり分かりませんでした。

ハードに歪ますせる時には、ピッキングのレスポンス、音の立ち上がり、各弦の分離、パワー感、などが明瞭になり、少し元気になります。

ただ、エフェクターやACアダプターとの相性もかなり有ると思います。
内部の電源回路やアダプター自体がしっかりしている場合は効果(変化)がほとんど出ないと思います。

次!

「使い古したマンガン電池」風にしてみるアイテム


まずは、説明。
使い古しの消耗した電池は、電圧が下がっています。
が、今回上の説明にも少し出ましたが、「内部抵抗」も考慮しました。
電池自体にも内部抵抗があり、上に書いた関係のように、流れる電流値によって電圧降下してしまいます。
内部抵抗が小さければ電圧降下も小さくなります。
で、手元にあった電池の内部抵抗を計ってみました。

・少し消耗した9Vマンガン電池・・・無負荷電圧8.4V・・・内部抵抗は273Ω
・かなり消耗した9Vアルカリ電池・・無負荷電圧7.3V・・・内部抵抗は47Ω

アルカリよりマンガンの方がかなり大きいです。
マンガン電池の方が良いというのはこの違いが大きいのではないかと・・・
電流変化による電圧変動が大きい訳です。

マンガン電池は電源の質的にはかなり悪い状態ですが、「良い音」「好みの音」「気に入った音」「演奏しやすい音」が出るならそれで良い事なのでやってみます。


電圧を下げる為に整流ダイオードを3連接続、これで0.7V×3で約2Vぐらい下がるはずです。
その先に300Ωの抵抗、電池の内部抵抗の代わりで、これで電圧変動が大きくなるはずです。



DCプラグのプラス側(リング)にダイオードの向きを合わせて半田付け。
マイナス側だと、電源をマルチ分岐させた場合、他のエフェクターに接続したパッチコードからグランドラインが回り込んで、無効になってしまいます。



熱収縮チューブでカバーして出来上がり。

これを、ACアダプターとエフェクターの間に入れます。

テストしたのは先ほどの2台。
一応電圧を測ってみると、

・アダプターからの電圧・・・9.21V
・250の電圧・・・6.95V
・TS系の電圧・・・5.95V

かなり下がっています。(共に入力無音)
2台で違うのは、消費電流の違いが電圧降下の違いになっているのだと思います。

音は、2台共通して、明らかに歪みが粗くなり、音量変化的には頭打ちで平坦になります。
悪い音ということではないです、この「粗さ」が良いというのも解ります。

ACアダプターの質、ダイオードの数や抵抗値の組み合わせで、ニュアンスが違ってくるでしょう。
無理に電池を消耗させなくても「使い古した電池の音」をいつでも安定して出せる便利アイテムです。

今回の2つのアイテムは電源に対するアプローチが正反対です、「安定させる」と「不安定にする」
最終的に「どんな音にしたいか」「どんな音が適しているか」などが重要なのでどちらも有りでセレクトすれば良い事だと思います。


やっぱり電源は大事。今日はここまで。・・・つづく・・・たぶん