2018年8月11日土曜日

エフェクターの修理(ダイオード短絡)

エフェクターの修理(ダイオード短絡)

エフェクターの修理でたまにあるケースなので、紹介しておきます。

症状としては、電源が点かない、全く反応無し、音も出ない、等で
スルーバイパスの場合は、バイパス音のみ出る状態です。

つまり、回路的には全く働いていない状態。

アダプターや電池を繋がずに入力ジャックにプラグを刺して、普通なら電源が入る状態にします。
ここで、電池スナップの両端子間をテスターの抵抗レンジで計ります。
で、抵抗値がゼロならこのケースの可能性が高い。

つまり電源ラインのプラスとマイナスが短絡ショートしてしまってる状態です。
当然回路には電圧供給されませんので、全く動作せずとなります。

もし電池を繋いでいたら、電池が異常に発熱します。
アダプターなら、異常発熱〜壊れる事になると思います。

で、私が数回遭遇したケースでは、みんな電源部の逆極性保護用ダイオードが短絡ショートしてました。


この例に挙げた回路図のD1にあたる物です。
このダイオードは、極性が反対のアダプターをつないでしまった時に回路を保護する役目の物です。

逆極性を繋いでしまった時、このダイオードにはかなり大きな電流が流れてしまいます。
つまり、このダイオードで逆電圧をブロックして後の回路を守るのです。
短時間でアダプターを外したら大丈夫な場合もあるでしょうが、過負荷電流でダイオード自身が発熱し壊れてしまってショートするのだと考えられます。

で、修理としてはこのたぐいのダイオードを見つけて取り外すと元通り普通に使える様になります。
もちろん、同等なダイオードに交換するべきです。
そうしないと、今度逆極性のアダプターを繋いでしまったら、回路の殆どが壊れますので・・・

ご参考に・・・では、また。

2 件のコメント:

  1. jttamさま。いつも拝見しております。まさにこの状態の80年代の国産ディストーションを入手しまして、現代ですと整流ダイオード(1N4001など)が使われておりますが、そのエフェクターは電源〜コンデンサ(100uF)〜ツェナーダイオードとなっており、外周のアースに落ちていてオペアンプではなく回路全体を保護する物と解釈して、全体を過電圧から守るとしたら9Vいいんですよね?
    質問、失礼いたしました。

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    1. 匿名様、コメント頂きありがとうございます。
      このダイオードがツェナーダイオードになっている物も有りますね。
      BOSSの初期物に時々見かけます。
      この場合定格以上の電圧が入ってきた場合に回路電圧を一定以上には上げない為に入れている物と思われます。
      つまり、例えば9Vのツェナーダイオードが使われていれば、9V以上の電圧分だけをアースに落として、回路側には9Vを供給するようにしているのです。
      このツェナーダイオードもあまり大きな電圧が入ってくると発熱で焼けてしまいます。
      動作原理は違うのですが、以降の回路を保護する物であることは確かです。

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