2015年10月29日木曜日

BOSSエフェクター音痩せ改善 その2_ HF-2 Hi Band Flanger

BOSSエフェクター音痩せ改善 その2

先日(2015/10/22)OS-2を例にバイパス音の音痩せ改善を書きましたが、BOSSの空間系については、やっかいな障害があります。
今回、HF-2 Hi Band Flanger の音痩せ対策をしてみましたのでご紹介します。

このHF-2、ジャンク品として安く買ったのですが・・・どこが?・・・あっ、LEDの色が変わってる。
中を開けると、電コンが全てオーディオグレードに交換されてました。(定数変更は無し)
つまり、改造品扱いでジャンク・・とのことなのでしょう。

回路図はこちら↓
http://www.freeinfosociety.com/electronics/schematics/audio/pictures/bosshf2.gif

フランジャーやコーラス等は、原音にエフェクト音をMIXして効果を出しているので、少なくともBOSSの空間系では、バイパス音はエフェクトのON・OFFに関わらず出力されてます。
ので、バイパス音については電子スイッチが通ってないようで、エフェクト音のMIXをON・OFFしている構成がほとんどのようです。

ここで回路図を見て頂くと分かると思いますが、バイパス音はQ1~IC1(1段目)~IC1(2段目)と流れます。
ここでIC1の両段にイコライジングが入ってます。0.0068μと 10KΩが直列になった部分です。
1段目では、10kHz付近を上げてその上の周波数帯を下げています。出力直前の2段目では10kHz付近を下げて、さらにその上の周波数帯をここでも下げています。
つまり二段のイコライジングで10KHzより高い周波数帯をかなりカットしている状態です。

では、なぜこんな事をしているかと考えると、エフェクト音にIC1/2段目でイコライジングしIC3から出る高音のヒスノイズをカットしたいからだと思います。
最後にカットする分、最初に10kHz付近を上げている・・・。
しかしそれ以上の周波数帯は必要ないだろうと犠牲にしている状態です。
しかし、実際には10kHzを超える周波数帯の倍音成分が音の芯や艶を出しているので、ここを削られると、引っ込んだスッキリしない音になります。
実際バイパス音もそうなってます。
高域特性を配慮してオーディオグレードのコンデンサを使っても最後に削ってしまうのですから効果薄・・・。
低音については、OS-2と同様に対策すれば良いのですが、・・・

実は、前にEB-5(2014/6月投稿)の時にも似たことをやったのですが、もう一歩踏み込みました。
まず、問題のイコライジング、0.0068μを前(C3)も後ろ(C22)も撤去してイコライジングを無効にします。
入力のC1を定数アップ0.1~1μで良いと思います。が、今回3.9μ無極性オーディオグレード電コン。(たまたま安く手に入ったので使ってみたかった)
出力のC24をオーディオグレード10μ電コン。

ここまでは、基本的にOS-2の例と同じ方法論です。
で、バイパス音は音痩せや音の輪郭もはっきりして、音痩せ解消状態です。

が、当然ですがエフェクトONにすると、IC3のヒスノイズが「しゃ~しゃ~」出ます。
で、IC3の後、Q3のフィルターを調整してここでヒスノイズをカットしました。コンデンサC14~16の変更がそれです。
結構色々な定数の組合せを試しました。(大変・・・)
Q2のフィルターもいじってここで少しでも10kHz付近を上げるようにトライしましたが、C9の変更で少しだけなんとか・・・・(もともとローパスなので・・・)

R29の変更は、フィルターをいじった為かエフェクト音のレベルが下がって効きが浅くなったのでレベルを少し上げて調整しました。
また、フィードバック(RESツマミ)にも影響しますので、VR5も必要に応じて調整要です。(発振しない程度に)


これでバイパス音の改善とノイズ除去によって、エフェクトをかけても原音の輪郭や芯もはっきりと残ったままスッキリした音になりました。

機種によってノイズに対する対処はそれぞれ変わってきますが、・・・
回路的によく似たBF-2、BF-2B、CH-1、CE-2等には応用出来ると思います。


ご参考に・・・では、また。

2015年10月27日火曜日

Onerr Mercury Distortion DST-2 について

Onerr  Mercury Distortion DST-2 について

Onerr / Mercury Distortion DST-2 を安く手に入れました。
情報として内部写真など載せておきます。

感想レポートですが、・・・良くも悪くもBOSSレベルだと思います。
ですから、結構ちゃんとしてます、悪くはないし使えるなぁ~・・って感じです。
が、音やせもレンジもBOSSレベル・・・。
ロー・ミッド・ハイと3バンドでイコライジング出来るので結構作れます。
が、周波数レンジがあまり広くないので・・・ちょっと残念です。
まだちゃんと回路を見てないのですが、コンデンサの定数を見直せばレンジも広がるように思っています。 この辺はまた今後・・・・

画像の一式羅列ですが・・・・


ブラジル製です。









ご参考に・・では、また。

2015年10月24日土曜日

BOSS GE-7 再び・・ノイズ対策 改造MOD

BOSS GE-7 再び・・ノイズ対策 改造MOD

以前に電解コンデンサの入れ替えなどでプチMODした、GE-7ですが、やはりノイズが結構気になってきたので、今回ノイズ軽減の改造をしてみました。
(2015/3/29に投稿したもの)

回路図はこちら↓

今回気が付いたのですが、回路図に記入漏れ?が有ります。
IC1~3の OUT端子(各1番と7番)が470KΩでグランドラインに落ちてます。
(後の写真に鉛筆書きしてます。)

IC1~3でイコライジングをしている訳ですが、付いていたICはIR9022です。
GE-7とほぼ同じ回路構成(周波数を決めるCRが違うだけ)のGE-7B日本製を持っているのですが、こちらはノイズも少なく全く気になりません。
GE-7B日本製の方はICがすべてM5218で、このIC、BOSSがよく使っている物なんですが、ローノイズタイプで結構性能が良いみたいです。

後でGE-7になってランク下の022クラス(TL022,IR9022)に変更した為にノイズも増えてしまったのではないかと・・・・推測。

なので、素直にローノイズタイプと言われている物に交換しました。

最初IC1だけを数種類試して・・・結局一番ノイズが少なかったJRCの4580Dにしました。
これは4558系のオーディオ対応にした物のようです。

ノイズレベルが聴感上1/3くらいにはなったと思います。
たぶんですが、022は省電力タイプですので、この変更で電池の持ちは短くなるのではないかと・・・・
ついでにいくつかのカップリングコンデンサと抵抗を追加で変更しました。
(バイパス音&原音のクオリティアップ)

回路図に書き込んであるところが今回の変更点です。


ご参考に・・・では、また。

2015年10月23日金曜日

BOSS OS-2 改造MOD

BOSS OS-2 改造MOD

前回、バイパス音の音やせ改善をしたOS-2ですが、やはり台湾製。
結局、電解コンデンサを、総入れ替えしました。
歪み系の回路なので基本的に一般グレードを使いました。
(手元に定数がオーディオグレードしかなかった物も一部ありますが・・・)
やっぱり劣化してたようで、全体にシャキッとしました。


OS-2は、オーバードライブとディストーションの二系統の回路が入っていてCOLORというツマミで2つをミックスして音作りが出来ます。
私の好みですが、ディストーション側は結構良いかと思うんですが、オーバードライブ側は低音も高音も削れたラジオみたいな周波数レンジで、・・・使えない。

回路図はこちら↓
http://www.freeinfosociety.com/electronics/schematics/audio/pictures/bossos2.gif
この回路図でC27が47nになってますが、実際には4.7n(472)です。

で、回路図を眺め・・・オーバードライブ側のハイパスとローパスフィルタを変更してレンジを広げました。
C27、 4.7n を47n
C4、 10n を4.7n
に変更です。

オーバードライブ側単独でも十分使える感じになりました。


ご参考に・・では、また。

追加投稿
BOSS OS-2 ワイドレンジハイゲイン改造 MOD


2015年10月22日木曜日

BOSS エフェクター音痩せ改善について

BOSS エフェクター音痩せ改善について

BOSS エフェクターバイパス音の音痩せ改善について書いてみます。

バイパス音の音痩せについては色々なところで言われていることですが・・・・
基本的には、回路設計の段階で低音を考慮していないと思います。(コストとの兼ね合い? )
また、部品の質、特にコンデンサの質も影響が大きいように思います。
コンデンサに関しては特に台湾製になってから質が落ちている印象があり、製造年がさらに古い日本製の方がましな気がします。・・・・私見ですが・・・

今回、OS-2、2006年台湾製を入手しましたのでこれを色々改善、改造MODする事にしました。

まず、音だしで、あまり良いとは思えない・・・・
開けてみると・・・

汚い・・・手半田したと思われる所は特に・・・・(不良率や故障率も高かったのではないかと・・想像ですが・・)
さておき、とりあえず今回は「バイパス音」

回路図はこちら↓
http://www.freeinfosociety.com/electronics/schematics/audio/pictures/bossos2.gif

OS-2の回路図はあんまり出てないみたいですね。
この回路図でC27が47nになってますが、実際には4.7n(472)です。

さて、先に書いた低音が考慮されていない・・ですが、カップリングコンデンサとその後にあるバイアス抵抗又はグランド抵抗の組み合わせで、ハイパスフィルター(ローカットフィルター)を形成してしまいます。
OS-2の場合、バイパスラインにはこれが4カ所もあります。
単にバイパスなのに4回もローカットを通っているのです。
それぞれは聴感上十分な周波数を通すはずの設定値なのですが、人間の耳は数字通りにはいかないようですね。
で、まず、低域を通す為にコンデンサ定数を上げる必要があり、一番ネックになってるのが最初のC22、47nです。 ここは少なくとも0.1μ以上にした方が良いと思います。
あと場合によってネックになるのが最後のC12、1μ電コンです。これの後のグランド抵抗は100Kなのですが、これの次に繋ぐ物(アンプやエフェクター)の入力インピーダンスが低く例えば10Kだったとすれば、一桁上の周波数まで低音をカットしてしまう結果になります。
つまり、繋ぐ物に影響される所なので、十分な余裕を持つ必要が有るわけです。

で、
C27を0.22μフィルムコンデンサ
C12を10μオーディオグレード電解コンデンサ
に定数変更します。

また、部品の質でもやはり一番ネックになるのはコンデンサですので、途中にある
C30とC24もオーディオグレードにして、ついでに定数も2.2μに増やしときました。

電解コンデンサをオーディオグレードにすると音の輪郭や高域の伸びが違ってきます。

青いフィルムコンデンサと金色の電解コンデンサです。


で、ほとんど「音痩せ」と言えるような物は解消されました。(私の聴感ですが)
また、追加でやるとしたら抵抗器が全て小型タイプですので、標準タイプの物にするか信号が直接通る所は1/2Wタイプなど、流れる経路を「太く」する事も効果があります。

他のエフェクター特にBOSS製品には、共通する問題ですので、応用出来るはずです。(私は基本的に同じアプローチで音やせ解消してます。)

OS-2はまた今度続きの改造MODをしますが、今回はバイパス音の音痩せ解消・・・でした。


2015年10月21日水曜日

MXR Distortion+ VRカーブの変更(自作・MOD)

MXR Distortion+ VRカーブの変更(自作・MOD)

前回の「MXR Distortion+ をラグ版ハンドワイヤーリングで作ってみる」で最後にちょっと触れましたが、VRポットのカーブをAからBへ変更してみました。

元のままAカーブだと、3時くらいまでは、Output,Distortionどちらも変化が少なく、3時以後で良いポイントに調整する事になるので、細かい調整がやりにくい状態だったのです。
これは現行品市販品(本物)も同じでした。

で、Bカーブにして調整したい範囲を広げて、つまりAカーブの3時くらいの抵抗値をBカーブなら12時くらいの位置に持って行けるので、それを狙った訳です。
(Cカーブでも良いかもしれません・・・お好みで)

参考資料、各カーブの角度と抵抗値変化の概略図です。

交換した結果は狙いどおり、うまく行きました。

VRカーブの選び方で、操作のしやすさが変わるのは当然なので、MXRさんはなぜ、Aにしたの?・・・


ご参考に・・では、また。

2015年10月16日金曜日

MXR Distortion+ をラグ板ハンドワイヤリングで作ってみる(自作)

MXR Distortion+ をラグ板ハンドワイヤリングで作ってみる

MXR Distortion+ M-104の現行品を手に入れたのですが、あまり感動もなく・・・・
これが定番ロングセラーになっているのだろうか?
ちょっと調べるとICが互換品に変わってたり多層基板に変わってたり、回路面よりも部品構成面でかなり変わってしまっているようです。

で、前から作ってみたかった「ラグ板ハンドワイヤリング」での製作をこれでやってみる事にしました。

参考にした回路図はこちら↓

変更点はR2とR3を100Kにしました。
推測なんですが、1M2つで分圧したバイアスを同じ定数の1M(R4)で引っぱってますので、バイアス電位が不安定になるのではないかと・・・・(このICの入力インピーダンスは最低300K~標準2Mです)
また、この機種とほとんど同じ回路構成(ICも同じ)のDOD250はここが22Kで分圧470Kでバイアスを引っぱってます。(2桁差を付けてる)
う~んと思いながらも、100K2つの分圧にして、せめて1桁差を付けてみました。
それと、電源平滑に100μ16V電解コンデンサを追加です。

あと、折角なのでもう一つ贅沢をして抵抗を1/2Wタイプにしました。(太い)
なるべく太い信号経路をなるべく短いの距離で配線し、半田による抵抗分も排除しようと・・・
普通プリント基板で組む場合、部品のリード線と基板の銅箔は半田をしないと接続されません、つまり少しですが、半田を通って電気が流れています。半田にも抵抗分がありますから・・・・
(ただし、最終的には接続を固める為に薄く半田します。)

ダイオードはゲルマニュウム1N34、ICはLM741です。

レイアウトは、またまた手書きですけど・・・・


部品の取り付けは、ラグ板のハトメ穴を通して端子にしっかり巻き付けます。
リード線の短いタンタルコンデンサは直接端子に巻き付けです。

ICはリード線がないので、必要な端子だけ直接半田付けで軟銅線を付けました。

ラグ板の裏に貼り付けて、信号ライン(2,3,6番端子)を最短距離でラグ板端子に巻き付けます。

ラグ板に半田をする前にテスト音だしです、半田を介せずに接続されている事を確認しました。
テスト音だしの時点で全然音が違います。
クリア&パワフル!!!

なぜか、市販品より音量も出ます。
(市販品は音量的にはかなり小さくその点で不評だったり・・・回路的には上に書いたバイアス分圧のところが違うだけですが・・・)
ICの端子部分をグルーガンで固定

ケース組み。ラグ板以外もなるべく配線を巻き付けました。
スイッチやジャック類はまき付けだけでは不安定なので、半田をのせて、ラグ板には半田がない状態でもう一度テストし、ちゃんと接続されている事を確認。

その後、接続を固める為にラグ板端子に薄く半田をのせました。

はい、出来上がり。


市販品と比べると、やっぱり、クリア&パワフル!!
ということで、手に入れた市販品は、中古市場に旅立っていきました・・・・・。

今度やろうと思いますが。回路図でも市販品でも、VRポットが2つともAカーブ(log)になってますが、3時くらいから急に音が変化しますので、Bカーブにしたほうが使いやすいのではないかと・・・・


ご参考に、では、また・・・