2014年6月17日火曜日

BOSS BE-5 復活~HiFi~Bassに使えるMOD

BOSS BE-5 復活~HiFi~Bassに使えるMOD

BOSS BE-5を中古で手に入れました。
単体エフェクターを5つ直列につないで一体化したようなマルチです。
製品マニュアル→ http://lib.roland.co.jp/support/jp/manuals/res/1809510/BE-5_j_02345867.pdf

http://www.bossarea.com/serial/sndecoder.aspx
 ↑ によると手に入れた物は、1989年製らしいので25年も前の製品になります。

音だしした第一印象は、「ラジカセみたいな音」でした。
バイパス音もひどいもので、途中にチューナーアウト、センド、リターン、のジャックもあるのですが、後ろになるほど順々に音やせしていきます。

その1「復活」

中を開けたら、大きな基板が1つ。
回路的には、
コンプレッサー CS-3
ディストーション  OS-2
ノイズゲート  NS-2
ディレイ    DD-2
コーラス    CE-2
それぞれに近いようです。

まず気になったのが、電解コンデンサ。沢山使ってます。
全て小型タイプ、スペース的に余裕がない訳でもないようですが・・・

25年前の製品ですから、電解コンデンサが劣化している事は容易に想像がつくので、
http://diy-fever.com/wordpress/wp-content/uploads/2013/01/roland_boss_be-5.pdf
↑から回路図などサービスノートをダウンロードして、バイパス音が通る電解コンデンサ(カップリングコンデンサ)を交換してみました。
部品番号などはこの回路図に添って書いていきます。

(C020,018,126,127,125,052,045,044,143,106,055,060,061)

手持ちにあったものをかき集めたので、ごく普通のグレードです。
結果は「ミニコンポくらいの音」になり、やはり電解コンデンサの劣化が大きく影響している事が確信できました。
ので、まずエフェクト回路の中のカップリング、次に電源周り、と換えて行くにつれ徐々に音質が改善されていきました。

特にオーバードライブ・ディストーションの回路中、オペアンプ負帰還にある4カ所ですが、
これも劣化していたようで交換すると歪みの質が大きく変わりました。
(本来の音に戻った。C032,035,036,037)

結局、ついでなので全ての電解コンデンサを交換してしまったのですが・・(ちょっとやりすぎかも)



他に故障もないので、とりあえず、BE-5はこれでたぶん復活しました。


次に
私が元々ベース弾きだったので、ベースにも使えるくらいにしたいと思って改造してみました。
なお、あくまで私の主観でやってみましたので、必ず「良い結果」とは限らない事をご理解ください。

BE-5はこれで復活したと言っても、
・昔の機材故か、音のレンジが狭い。(周波数的に)
・やはり、バイパス音が順々にやせてゆく。
・全体的に「すっきり」しない音で明瞭感がない。
・特にオーバードライブ・ディストーションは低域が削れすぎてとてもベースでは使えない。
などなど・・・・


その2「HiFi化」

「レンジが狭くてすっきりしない音」に取り組んでみました。

まず、低域のレンジを広げる。(ベースで使えるように)
これは、カップリングコンデンサの定数を見直しました。
カップリングコンデンサはCRローカットフィルタ(低い周波数を通さない)として働いてしまう事を考慮して、定数を上げる方向です。

バイパス回路
C002 0.047 → 0.82積層フイルム(手元のあったのがこれなので、0.47~1uフイルムでよいと思う)
C021 0.047 → 1u無極性電解コンデンサ

コンプ回路
C015 0.047 → 0.1フィルム

コーラス回路
C106 0.1 → 10u無極性電解コンデンサ
C134 0.033 → 0.1フィルム 

次に中高域の改善。
ここまできて中高域がつまったような伸びが無い事がはっきりしてきた。

どこかでハイカットになっていないかと回路図を眺めていると、2カ所でハイブーストして後でその分ハイカットしている。
わざわざイコライザを4回も使って元に戻してる感じになっていた。(バイパス音もここを通っている。)
ノイズゲートの前でブースト、後ろでカット、ディレイの前でブースト、最終の出力バッファでカットの4カ所です。
おそらく、昔のカセットテープのドルビーNRと同じ原理で高域のノイズを低減する目的では無かろうか(推測)とは思うが・・・
とにかくこういう事をすれば、音質的に劣化が重なるのは間違いないので、ブーストとカットをセットで無くしてみました。

ノイズゲート回路
C054とC047を取り去る(ペアになってるR080とR070でもよい)

ディレイの初段
C142を取り去る(R187でもよい)

出力バッファ
C057とC062を取り去る(ペアになってるR087とR093でもよい)

やはり中高域がつまったような感じは改善されました。
で、上に書いた「高域ノイズを低減」ですが、ゲート部もディレイ部もあまり増えた感じはしませんが、
コーラスのみ少し気になるレベルなので、コーラスのエフェクト出力にハイカットの意味でコンデンサを追加しました。

R096とQ015の間とグランド間に0.0047フイルムコンデンサを追加。



コーラスは、出力バッファで原音とミックスするので、中高域のつまり感にはさほど影響しませんでした。
ただしエフェクトのニュアンスには影響しますのでご注意ください。(値を小さくすれば影響は少ない)

が、まだまだ、バイパス音が順々にやせていくのは確かにあるので、もう一押し・・・

この改造こそやりすぎてる感がありますが・・・・
BE-5の場合5つのエフェクターを一枚の基盤に乗せた物ですので、基盤自体が大きい訳です。
基盤の裏を眺めているとやたら細いパターンで延々と引き回している箇所が沢山あります。
基盤の銅箔は薄い上に1ミリにも満たない幅で音声ラインを引き回すのは決して良い事ではありません。
ので、主な音が通る所をたどって、5経路の細すぎる音声ラインをピックアップし、その引き回しを0.65mmの導線でバイパスしてみました。


Q004からQ010
IC3の7ピンからR047
Q011からC143
IC18の7ピンからR149
IC16の7ピンからC055

この段階まで来るとこれは、かなりの効果があり、音やせもすっきりしました。


その3「Bassにも使える」

ベースを繋いでみると、とにかく歪みエフェクトが使えない。
低域も高域のカットされているので量感、力感が無い。

まず低域ですが、他と同じでカップリングコンデンサ変更です。
(ここでの変更は歪みの質に直接影響しますので、注意して下さい)

C026 0.022 → 0.047フィルム
C025 0.0047 → 0.22フイルム

高域ですが、私は太いオーバードライブが好みなのですが、
オーバードライブ回路のハイカットが、中域まで大胆にカットして量感が無くなっているようです。
中域はディストーション回路で補う設計のようですが、そちらは高域に偏っていて中低域は貧弱に思うので
オーバードライブ回路のハイカットを大幅に変更しました。

C041 0.018 → 0.0047

中域が補強されて結構太くなりました。

ついでに

コーラスを入れると音量が上がってしまう状態になってしまった(C134の変更の副作用?)のでIC14にぶら下がっているR135を30kくらいにしました。
(実際にはR135と平行に100kを基板の裏に追加してます)
IC14の出力段はオペアンプなので、負帰還の抵抗値調整で増幅率を少し下げています。

一応完了

色々試せると思っていますが、チューナーアウトから原音を取り出し、センドとミックスしてリターンに戻すと、
よくある原音ブレンドタイプのベースオーバードライブ的になる、とか・・・
センド、リターンが有るのも色々な使い方を考えられて良いかと思います。

あと、ツマミが小さくて回しにくい!!

追加投稿・その後のBOSS BE-5(追加MOD)はこちら

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