2015年5月26日火曜日

Behringer VT911 Vintage Tube Overdrive 改造、MOD

behringer VT911 Vintage Tube Overdrive 改造、MOD

先日投稿した(2015/05/13)、Behringer VT911 の続きです。
「歪みが汚い、酷い」などの表現が、これのレビューで時々見ますが、確かにそう書かれても仕方ないのではないかと思います。
真空管のウォーム感などほとんど感じられません。

先日もちょと書きましたが電源関係が弱いというか、コストダウンの為に無理矢理変な回路的対処をしているように思えます。

まず、元ネタと思われるTube Driverの回路図↓

先日の投稿したVT911の回路図を分かりやすくなるように、朱書きで一部書き換えと基板ごとに分けてみました。


問題なのは真空管が乗ってる基板のブロックです。

朱書きしたように当然Tube Heaters 真空管のヒータはそこにあります。
元ネタの回路図では、ヒータに電源を送った後で220Ωと470μさらに220Ωと220μが入ってその後にバイアスを作って、おそらくICへの電源も送っていると思います。
この220Ωと470μさらに220Ωと220μはローパスフィルターが二段になっている事になって、真空管のヒータフィラメントの影響、周波数の低いリップル分を取る為に入れてあると思われます。
ただし電源ラインに直列に抵抗が入ると、そこで電流変化に伴い電圧変動が起きます、その電圧変動を支える為にも直後のコンデンサが比較的大きな物になっているのだと思います。

で、VT911ですが、真空管ブロックの基板上で無理矢理それをやってます。
この基板へヒーター用と回路用に別々に電源を送れば良いと思うのですが、1つしか送らずにここでヒータに電源供給した後R15:1KΩとC7:100μでリップル取りをしています。
また、ヒーターより前に直列抵抗を入れてしまうとヒータ電流が大きいため電圧降下が大きくなってICやバイパス回路への電圧がかなり下がる事になるので入れずにC1:100μだけでリップル取りをしているのでしょうが、ヒータと同一ラインですので、フィラメントの影響をもろに受けます。
結局、大きなコンデンサや、ヒータ専用の電源ラインを節約する為に変な工夫をした結果うまくいってない・・・って感じがします。
やっぱり「コスト」ですか・・・・。

で、素直に元ネタのTube Driver にならって電源関係を改造MODしてみます。
ヒータ電源の分離とリップル取り抵抗電コンブロックの増設です。
ただし、同じ定数でやってみると、元ネタよりオペアンプが2回路多くなってる分消費電流が多く、この220Ω2つで3V弱の電圧降下になってしまいましたので、抵抗を100Ωにして、470μとの一段だけにしました。(約1Vの電圧降下です。)
またR15は削除、C7は折角真空管の近くに有りますので、バックアップコンデンサ扱いでそのままにしておきます。

パターンのカットが二カ所。

DCジャックの横

真空管ソケットの裏

カットに使ったのがこれ。・・便利です。

R15を取って、コネクタとジャンパ線で繋ぎます。

ヒータ電源の+側をDCジャックのうらから直結です。(黄色い線)


抵抗&電コンブロックの増設。(後で一段だけにしましたが・・・)
右下に見えてる黄色い線が真空管ヒーターへ行ってます。

なんとか、汚い、酷いだけの歪みでは無いとこまでは来たようにおもいます。
これの前にブースターを入れてやるとさらにましになります。
が、私的には今ひとつ・・・・・

さらに、クオリティアップとパワーアップをめざして・・・
どうなったかというと
C2,3,6をオーディオグレードに変更(同定数)
C10に2.2μ無極性電コンを並列追加。
C11に0.1μ無極性電コンを並列追加。


最終の回路図は↓

低域が増え、力強い歪みに変身しました。


ご参考に・・・では、また。

続きの改造、「behringer VT911 再び。真空管交換&改造、MOD」はこちら↓
http://sonic-craft.blogspot.jp/2016/03/behringer-vt911-mod.html

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