2017年11月13日月曜日

ZOOM G2 / B2パラメーターノブ修理

ZOOM G2,B2シリーズ、パラメーターノブ修理

ズームのマルチエフェクター、B2、G2、など一連のシリーズですが、中古市場などでも、パラメーターノブの不安定や数字飛び、逆進などの症状が多く出ているようです。

私も、二度目の修理対応になったので、修理方法を紹介しておきます。
このパラメータノブ。(今回はG2Nu)


分解します。
(分解方法などがご自分で分からない方は手を出さない方が良いですので、あえて途中は省略します。)
この部品、普通のボリュームとかではなくロータリーエンコーダーです。

いくつか要因はあるのですが、症状でよく見かけるのは「押しながら回すと大丈夫」というもの。
このロータリーエンコーダーよく見ると、真ん中の継ぎ目が浮いて隙間が出来てます。
押さえるとくっつく。

まずはこれが1つ目の原因。
留め金具でカシメて止めてあるのですが、緩んでます。

留め金具を広げて外してみると、こんな構造。
浮き気味になると当然接点の接触が不安定になります。
だから「押しながら回すと大丈夫」な訳です。

下側の接点ツメを少し起こして、組み直し、カシメの金具もしっかり押さえます。
軽い症状だとこれで直ります。

これでも不安定さが残る場合、もう一つの要因。
結構使い込んでると、やたらぐるぐる回す訳ですから、接点も摩耗します。
さっきの、開けた所なんですが、内部は全体にべたっとしたグリスが薄く塗ってあります。
接点グリス。
綿棒で掃除してみると・・・・あら、汚い・・・摩耗した金属粉でしょうか?
で、なるべく綺麗にして、新しく接点グリスを塗ります。
これ。

後は、さっきと同じに組み直し。・・・

接点グリスを持ってたら一緒に処置してしまいましょう。

私が遭遇した物はこの清掃&組み直しで綺麗になおりました。

もう一つついでに。
なぜ、留め金が緩んで隙間が開いてしまうのか?
構造的な問題ですね。
このノブの下側には押しボタンがいくつか付いてます。
押しボタンですから押します。
この押す力がプリント板を押し下げます。
ノブの部品はプリント板と一緒に押し下げられます。
ロータリーエンコーダーは上のボディにナット止めされているので、その度に下に引っぱられて金具が緩み、隙間が開く。・・・・

で対処ですが、ウレタンゴムをこのように貼って、上に重なるプリント板の裏で支えます。
(上のプリント板の裏にオペアンプICがあったりしますのでその場所は避けましょう。熱がこもります。)
追記:その後G2など2件で同じような修理をしたところ、既にウレタンゴム貼り処理をしてありました。たぶんメーカーが設計変更又は修理処置したのではないかと・・・

 上のプリント板は、ジャックのナットでしっかりボディに固定されていますので、十分押さえてくれそうです。

これでおそらく、金具の緩みも起こらないと思います。

今回は分解画像ばかりなので判りづらいかもしれませんが、分解しながら見て頂くとすぐ分かると思います。


ご参考に・・・では、また。

2 件のコメント:

  1. オクで手に入れたものが正にこの症状でした。
    接点グリスを持っていないため留め金具を外すことはせず、基盤裏にスポンジっぽいものを付けるのみにして様子を見ましたところ、若干改善されました。機会を見て再度しっかり手を入れてみたいと思います。
    有益な情報ありがとうございました。

    返信削除
  2. お役に立てて幸いです。
    接点グリスはAmazonなどでも手に入ります。

    返信削除